明日の中山大障害が最後のレースになるオジュウチョウサン

 平地のレース(有馬記念も含む)に挑戦したりするなど障害レース界では絶対王者として君臨したオジュウチョウサンが明日の中山大障害で現役最後のレースに挑みます。

 オジュウチョウサンは2歳の10月の新馬戦で競走馬生活を始めますが、最初のレースは11着、次の未勝利戦は8着でした。その後は1年の休養となり、障害に転向しての最初のレースは14頭立ての14着でしんがり負けになりました。レース後は美浦の小笠倫弘厩舎から和田正一郎厩舎に移籍します。2015年の2月の障害戦で4戦目にして障害初勝利となります。(デビュー通算6戦目での初勝利)

 続く3月の中京競馬場の障害オープン戦で連勝をして、6月の東京ジャンプステークス(J・G3)で重賞初出走しましたが、オースミムーンの4着でした。この時からはコンビを組む石神深一騎手と共に障害レース界で大活躍することになります。年末の中山大障害は初挑戦でしたが、勝ったアップトゥデイトの6着でした。この時から後に名勝負を繰り広げるライバルホースであるアップトゥデイトとの出会いでした。

 障害転向後の2年間は10戦3勝となりましたが、この時はまだ注目されるほどではありませんでした。

 2016年からは障害オープン戦から始動し、二ホンピロバロンの2着でした。この時からメンコの耳当てを外すなど、以後トレードマークになるスタイルになります。(主戦となった石神深一騎手の助言で)

 そのメンコの耳当てを外した結果、苦手だったスタートは寧ろ得意技に替わり、好位追走のレース運びを十八番とします。

 4月に出走した中山グランドジャンプでは出走馬10頭で、重賞勝ち馬は2頭でしたが、前年の最優秀障害馬であるアップトゥデイトは出走しませんでした。この時の1番人気は重賞2勝のサナシオンで、単勝1、3倍でした。所謂1強状態でした。オジュウチョウサンはそれに続く2番人気の6、5倍です。

 巧みなスタートを決めたオジュウチョウサンは、3番手からレースを進めると最終障害手前から徐々に進出。最後の直線で鋭く伸び、サナシオンに3馬身半の差を着けての勝利となり、初の重賞制覇となりました。管理する和田正一郎調教師にとって初となる重賞制覇となりました。石神深一騎手はJ・G1初制覇でした。

 その後は6月の東京ジャンプステークスに1番人気で勝利し、10月の東京ハイジャンプでも勝利しますが、この時空馬で並走してた馬が外へ逸走しオジュウチョウサン接触し大きく失速する事態になりますが、最終障害までの短い距離で体勢を立て直すと無難に飛越し、最終的には再加速しての1馬身半差で突き抜けての勝利となり、障害重賞3連勝となりました。

 12月23日の大一番である中山大障害では単勝1、4倍の1番人気となり、王座奪還に燃える昨年の最優秀障害馬アップトゥデイトと2度目の対決を迎えます。レースは最終障害手前から2頭の一騎打ちとなりますが、最後の直線でアップトゥデイトを突き放すと独走状態になり9馬身差の勝利となりました。更にはJ・G1連覇の快挙も達成しています。

 更には初めて最優秀障害馬に選出されています。(以降・通算4度受賞)

 その後はアップトゥデイト阪神スプリングジャンプなどで幾度もなく対戦し、通算5回対戦しています。通算対戦成績はオジュウチョウサンの4勝です。

 オジュウチョウサンは2020年の京都ジャンプステークス(この時は阪神競馬場で代替開催)で負けるまで障害重賞の連勝記録となる13となっています。更には現在の障害重賞勝ちも15となっており、J・G1に関しては9勝しています。今回の中山大障害を勝つと障害重賞16勝及びJ・G1は最多の10勝となる記録がかかっています。獲得賞金も10億円に近づいているので最後のレースで凄い記録が出来るかもしれません。

 レース後には障害馬として4頭目となる引退式が行われるので、ぜひテレビの競馬中継でオジュウチョウサンの最後の雄姿を見届けて下さい。

 そしてオジュウチョウサンの事は種牡馬入りすることになっていますので、これから第2の馬生も始まることでしょう。

 明日の中山大障害オジュウチョウサンの最後の雄姿が見れるので是非、テレビで観戦いたしましょう。