「ゆっくり解説・セクレタリアト」の動画を貼り付けさせていただきます「第3回」


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 今回の「ゆっくり解説・セクレタリアト」の動画は、アメリカ競馬で3歳最大のレースである「ケンタッキーダービー」編となります。

 セクレタリアトの3歳シーズン初戦は3月にアケダクト競馬場で行われたベイショアステークス・G3(ダート7ハロン・1400メートル)でしたが、道中進路が取れなくなり万事休すかと思いましたが、ここでもセクレタリアトの強さを物語る快勝劇でした。

 更に他の2頭の進路を妨害していたのではないかと審議の対象になりましたが、二人の騎手との対話やパトロールフィルムの検証の結果、今回はおとがめなしとなり、セクレタリアトの勝利となりました。

 翌月のゴーサムステークス・G2(ダート8ハロン・1600メートル)でも2着のシャンペンシャーリーに3馬身差を着けて圧勝しています。

 勝ちタイムも1分33秒4のコースレコードタイという優秀なタイムでした。

 2週間後に次走のG1・ウッドメモリアルステークス(ダート9ハロン・1800メートル)では、スタートから快調に飛ばした同厩舎のアングルライトが2着のシャムに頭差で逃げ粘っての勝利となり、後方待機策からレースを進めたセクレタリアトは2頭から4馬身差の3着に敗退してしまいます。

 一部の競馬マスコミからは「セクレタリアトはスタミナ不足ではないか?」と言われ始めますが、これは父馬のボールドルーラーがスピード系の種牡馬であるというイメージで、現に産駒はアメリカクラシック三冠レースに1頭も優勝馬を輩出していなかったことが要因となっていました。

 更にはアメリカクラシック三冠レースはウッドメモリアルステークスより距離が長く、2000メートルと1900メートルと2400メートルを1か月半と言う短いスケジュールで走り切るという過酷なローテーションとなっています。

 その為セクレタリアトはスタミナが不足しているのではないか?と言う疑念が結党からも解釈されていたのです。

 そして迎えた第99回ケンタッキーダービー・G1(ダート10ハロン・2000メートル)は、ウッドメモリアルステークスを勝利した同厩舎のアングルライトとのカップリングでしたが、単勝2.5倍の1番人気に支持されます。(この年のケンタッキーダービーは出走馬が13頭立てでした。後に騙馬でありながらアメリカ競馬の歴史的な名馬になるフォアゴーも出走していました)

 更には2番人気にシャムが3.5倍で続いており、その他の馬も「打倒・セクレタリアト」を誓っていたようです。

 そしてこの日のチャーチルダウンズ競馬場にはセクレタリアトを見たさに13万447人が詰めかけていました。

 そして迎えた第99回ケンタッキーダービー、スタートからチェッキーグリーンが快速を生かして先手を取り、その後にシャムなどがそれを追走し、セクレタリアトは何と最後方の後方待機策を取りましたが、これは主戦のロン・ターコット騎手がセクレタリアトのスタミナに不安を感じて、あえて後方待機策を取ったのではないのでしょうか。

 道中は後方待機策でレースを進めるセクレタリアトですが、3.4コーナーで徐々に外側に入り先行集団に迫ってくると、先に抜け出したシャムを躱して2馬身半の差を着け、1分59秒4のケンタッキーダービーレコードで勝利します。

 更には2頭から離れた3着(8馬身差もありました)は、アワーネイティブでした。

 勝ちタイムの1分59秒4は、1964年にノーザンダンサー(世界競馬を変えた大種牡馬です)が記録した2分00秒0のレースレコードを0.6秒上回るレースレコードとなり、これは現在でもケンタッキーダービーのレースレコードであります。

 更にケンタッキーダービーを2分以下でゴールした馬はセクレタリアトとシャム、2001年の勝ち馬であるモナーコスの3頭しかいません。

 この勝利で1948年のサイテーション(アメリカ競馬史上初の100万ドル獲得馬です)以来25年ぶりとなるアメリカクラシック三冠馬へ向けて大きく前進したセクレタリアトですが、2週間後には2冠目となるプリークネスステークスが待ち構えていましたので、ここからうまく調整することがセクレタリアトアメリカクラシック三冠馬に向けての試練と言える事となります。

 次回の動画はアメリカクラシック三冠の第2関門である「プリークネスステークス編」となります。

 少しの間お待ちください。