過去の南関東クラシック三冠馬をご紹介します

 地方競馬最大規模を誇る大井競馬場(東京都品川区勝島にあります)で開催される南関東クラシックレースは今年で最後の年になりますが、来年からは中央競馬所属およびほかの地方競馬所属に所属する馬たちを迎えての統一ダート三冠レースに生まれ変わります。

 南関東クラシック三冠レースは全て大井競馬場のダートコースで行われ、5月の「羽田盃・1800メートル」6月の「東京ダービー・2000メートル」来年10月からの「ジャパンダートクラシック・2000メートル」となっており、2001年までは三冠目として東京王冠賞「1964年の設立当時はダート2000メートルで、その後2400メートルから2600メートル、2001年をもって廃止になった時には1800メートルで行われていました」が、南関東クラシックレースとして長年親しまれてきました。

 その後は1996年に南関東G1として設立された「スーパーダートダービー」を1999年に名称変更して統一G1レースに生まれ変わった「ジャパンダートダービー」が、2002年に東京王冠賞と入れ替わる形で、南関東クラシック三冠レースの一つに加えられました。

 そして南関東競馬クラシックレースで三冠馬に輝いた馬は全部で8頭(牡馬7頭、牝馬川崎競馬所属のロジータのみです)いるので、年代別に順を追っていきます。

 南関東クラシック三冠レースが設立されたのは1964年の東京王冠賞が設立されてからとなります。

 東京王冠賞が三冠レースの一つだった2001年までに誕生した三冠馬は、後に中央競馬入りして春の天皇賞を18馬身差で勝利したヒカルタカイが1967年に最初に達成しており、その後は1975年のゴールデンリボー(2着は三冠レース全てでバトルメントと言う馬でした)、初代怪物と言われた名馬・タケシバオーの産駒であるハツシバオーが1978年に三冠を達成し、更には暮れの大一番である「東京大賞典」も制して南関東史上初の四冠馬に輝き、更には1983年のサンオーイも同じように「羽田盃」「東京ダービー」「東京王冠賞」「東京大賞典」を制し、史上2頭目の四冠馬になっています。

 その後は1986年のハナキオー南関東史上5頭目三冠馬に輝いています。

 そして1989年には川崎競馬場所属にして南関東競馬史上最強と言われた名牝のロジータ牝馬としては唯一となる南関東クラシック三冠と東京大賞典を制し、牝馬としては史上唯一の四冠馬となっています。

 ロジータは引退レースとなった川崎記念を8馬身差で勝利し有終の美を飾りました。

 その後は川崎競馬場に3歳牝馬限定の重賞レースである「ロジータ記念・ダート2100メートル」が引退後の1990年に設立されています。

 その12年後の2001年には船橋競馬所属のトーシンブリザード南関東競馬初となる無敗での南関東クラシック三冠馬に輝いています。

 更にトーシンブリザードジャパンダートダービーも無敗のまま制しているので、実質的には「四冠馬」になります。

 そして今年2023年には南関東所属限定では最後となる南関東クラシックの三冠馬が実に22年ぶりに誕生しました。

 大井競馬場所属のミックファイアが、デビューから6戦6勝で「羽田盃」「東京ダービー」「ジャパンダートダービー」を制し、現行の南関東クラシック三冠レースでは最初で最後となる、南関東競馬史上8頭目南関東クラシック三冠馬に輝きました。

 今後は「統一ダート3歳三冠レース」として新たな歴史を刻むことになる南関東クラシック三冠レースですが、1964年から2001年までの「羽田盃」「東京ダービー」「東京王冠賞」を制した馬は7頭、2002年から三冠目に「ジャパンダートダービー」になってからの三冠馬はミックファイアだけになります。

 正に南関東競馬を彩った名馬が南関東クラシック三冠馬に輝いているのです。

 そして来年以降の「統一ダート三冠レース」をすべて制し、「統一ダート三冠馬」に輝く馬の登場を期待しましょう。